2009-06-20 00:05:41

Sunn O))) / Monoliths & Dimensions [ ■円盤紹介 Rock, Postrock, Jazz ]

Sunn O))) / Monoliths & Dimensions
Sunn O))) / Monoliths & Dimensions (Southern Lord) ('09)

 先日の来日公演が記憶に新しいSunn O)))の通産7作目となるアルバム。オリジナル・アルバムとしては'05年の『Black One』以来の作品となるが、間に、Borisとの共演盤『Altar』('06)、ニューヨークの彫刻家 Banks Violetteとのライヴ・パフォーマンスを収録した『Oracle』('07)、ノルウェーの教会でのライブを収めた『Domkirke』('08)等の変則盤・限定盤の発表やメンバーのサイド・プロジェクト等、その超がつくほど精力的な活動のためか、それほど待たされた感は無い(なんとファン思いの二人なのだろう!)。本作はGreg AndersonStephen O'malleyの二人と、もうそろそろメンバーに入れてもいいんじゃない?と思うほど近年バンドとのからみの多いOren AmbarchiAttila Csiharの四人から成っている。

 本作を聴いてすぐに気づかされるのは、これまでの作品より楽曲の構成が緻密になり、アコースティック楽器を大胆に導入し音が多様化しているということで、単なる爆音・重低音バンドではないということを証明している(それは今までのギター、ベースに重きを置いた作品の中でも十分に感じ取ることはできたが)。前述のメンバー以外に本作に招かれたゲストも多分野に渡っており、各楽曲中でその力を遺憾なく発揮している。#1 "Aghartha"では轟音ディストーションの序章に導かれ、Attilaがドスの効いた声で語りだす。Julian Priesterによるホラ貝と、バイオリン、ヴィオラ、ホルン等の楽器、Orenのオシレーター・ノイズが渾然一体となる。ベースの弦をギリギリ引っ掻く音も効果的である(Keith Loweも何気に参加している)。#2 "Big Church"では出だしの女性コーラスに驚かされ、続いて雪崩れ込む轟音ギターの惨禍に震え慄く。EarthのDylan Carlsonがギターで参加。#3 "Hunting & Gathering (Cydonia)"ではSteve Mooreとその弟Tony Mooreによるトランペット、トロンボーンが楽曲のスケールを壮大なものにしている。メジャー・キーを奏でるブラス・セクションとリフを刻む低音ギターとの対比が非常におもしろい。最終曲の#4 "Alice"では叙情的なギター・アルペジオから始まり、ここでもまたトロンボーン等のアコースティック楽器が徐々に楽曲を盛り上げてゆく。最後にハープが儚く奏でられる瞬間はあまりに美しすぎて「これがSunn O)))の曲なのか!」と一瞬耳を疑いそうになる。

 本作でバンドは音楽的な成長を遂げた(いや、これまで隠し持っていた能力を最大限に引き出したというほうが近いだろうか)が、これを聴いた多くのリスナーがどのような感想を抱くのかがとても気になる。音の変化が大きいので賛否両論のような気もするが、僕は素直に感激した側だった。毎回聴く度に新たな発見がある非常に聴き応えのある作品だと思う。今年はじめに出た『KTL IV』の音楽的飛躍にも似たものを感じる。この最新型Sunn O)))のライブをまたこの耳で体感し、先の『(初心)ライブ』と聴き比べをしてみたい。

Maximum Volume Yields Maximum Results.

試聴Sunn O))) & Boris / AltarSunn O))) / Black One



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2009-06-08 21:56:36

John Wiese & C. Spencer Yeh / Cincinnati [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Taylor Deupree / Weather & Worn
John Wiese & C. Spencer Yeh / Cincinnati (Dronedisco) ('09)

 元Bastard NoiseのJohn Wieseと、Burning Star CoreのC. Spencer Yehによるノイズ・コラボレート作品。この現代ノイズ・シーンを代表する二人は過去にも何度か共演経験があるが、本作は'07年にシンシナティでレコーディングされ、翌'08年にミックス、編集されたものである。様々なエレクトロニクス、シンセ、MSP、自らの声、そして音の鳴るモノを巧みに駆使し、それらを空間的、時系的に配置することで、とりとめのないジャンクな音塊を音楽的に昇華させている。もちろん、ただ単に優等生的な仕上がりに成り下がることも無く、一つ一つの音が攻撃的で、そして何より音質がとても良い。また、声の使い方、加工の仕方も巧みであり、エレクトロニクスとの絶妙なシンクロ具合が爽快である。最終曲にはおそらくYehの演奏と思われるバイオリンか何かの弦楽器の音も登場する。この曲だけはそれまでの分散型な曲とは違い、集中型のドローン・ノイズの体を成しているのが興味深い。

試聴

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2009-05-31 23:21:05

Taylor Deupree / Weather & Worn [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Taylor Deupree / Weather & Worn
Taylor Deupree / Weather & Worn (12k) ('09)

 ニューヨークの微細電子音楽レーベル12kのオーナー、Taylor Deupreeの新作。12kの作品は久しく聴いていなかったが、総統のお出ましとのことなので早速チェック。本作はレーベルの新たな7インチシリーズの第1弾で、今年の1月末に製作された出来たてホヤホヤの新曲"Weather"と"Worn"が収録されている。両曲ともに温かく耳に優しいアコースティックな曲となっており、滑らかなループ・シンセと彼自身が演奏するアコースティック・ギターの柔らかな音色が非常に心地良い。また、フィールド・レコーディングによる生活感溢れるノイズの小片が、彼の身の回りの環境を映し出しているようでおもしろい。近作の『Northern』や『1am』と同様に、ごくプライベートな作品という特徴が色濃く出ており、聴いている者の耳にも自然と寄り添ってくる良作。ヴァイナルは250枚限定。

試聴Taylor Deupree / 1amTaylor Deupree / NorthernTaylor Deupree / Stil.Taylor Deupree / Occur



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2009-04-25 22:30:31

Sunn O))) 初心 / Grimmrobes @新大久保 Earthdom 2009-04-22 [ ■音塊 (Live Report etc.) ]

Sunn O))) / Leave Them All Behind 4/19に恵比寿 Liquidroomで行われた『Leave Them All Behind』では、出演したIsisSunn O)))BorisenvyGrowingが五者五様の轟音を響かせ、非常に盛り上がったイベントとなりました。中でも個人的に楽しみにしていたのはSunn O)))'07年の来日時に川崎チッタで彼らの演奏を体感して以来、すっかり虜となってしまったのですが、今回のLiquidroom公演でも圧倒的な音圧とパフォーマンスにより、会場を興奮と戦慄の渦へと巻き込んだのでした。

 そして、続けて行われたSunn O)))単独ツアーのうち、4/22(水)の新大久保 Earthdom公演へ今回行ってまいりました。この日はゲストとしてJim O'rourkeが出るとのことで非常に楽しみだったのですが、平日で仕事が長引いてしまい、彼の演奏には間に合いませんでした、残念。会場へ着いた頃にはちょうどSunn O)))が始まる直前だったのですが、すでに会場内には大量のスモークが充満しており、ただでさえ狭い空間によりいっそう閉塞感を漂わせていました。早速物販コーナーへ行き、お目当てのTシャツや限定販売のカセット・テープ、そして忘れてはならないのが(ケースが)Sunn O)))印の耳栓を購入し、これから自分の耳へと容赦なく襲い掛かる重音に備えるのでした。

Sunn O))) 初心 / Grimmrobes Live 時刻は8時を過ぎた頃、メンバーのStephen O'MalleyとGreg Andersonが登場し(といってもスモークでよくわからないのだが)、地獄の演奏がスタート。東京、大阪で各2公演の計4公演行われる今回の単独ツアーは、ズバリ日本語で「Shoshin / 初心」と銘打たれており、その名のとおり初心へ立ち返り、共演ゲスト無しでオリジナルメンバー2人だけで行うというもの。また、演目も『Leave Them All Behind』のものとは異なり、彼らのデビュー作である『The Grimmrobe Demos』の楽曲だけをプレイするスペシャルな内容です。

 まず、演奏序盤からLiquidroom公演との音量の差に驚かされました。会場が狭いということもあり3倍は音がデカイのではないか?と思うほどです。Liquidroomでは「2年前のチッタより音が小さいけど、耳が慣れた所為かな?」なんて思っていたのですがそれは間違いだったということがわかりました。3段積ギター・アンプ4台、ベース・アンプ4台から容赦なく放たれる音の凶器は聴く者の鼓膜のみならず皮膚を、衣服を、全身をも震わせます。そして開始10分ほどでさらにグンと音量がアップ、耳栓をしようか迷いましたがなんとか耐えます。StephenとGregがギターをゆっくりと高らかに掲げ、呼吸を合わせるようにゆらり振り下ろしながら弦を掻き鳴らす・・・。そんな単純な奏法の反復なのだが、当然毎回の音の発生の仕方は異なり、聴衆を飽きさせない。ギターをストロークするときに少しだけ出る高音のハウリング音から超重低音のドローンへと雪崩れ込む瞬間は鳥肌ものでした。初めは自分の耳のことを気にかけていたのですが、そのうち音の心地よさに全身の筋繊維が緩んでいき次第に軽くトランス状態に・・・。終盤には高音域のノイジーな音も加わり、ようやく見えた二人の姿もパフォーマンスを加速させていきいます。最後はGregはギターを天井に吊るし、Stephenはアンプの上にギターを乗せノイズ垂れ流しの状態で1時間半にもわたったライブは終了。演奏に圧倒されその場にへたり込み放心状態になっている人もチラホラいました。

Sunn O))) 帰りの電車で今回のライブについて色々考えたのは、まずこんな異質な音を出すライブに平日の夜にもかかわらずたくさんの熱狂的な人が集まり、しかもそれを4公演もやるということ。同じ日本のリスナーとして誇りに思えました。それと、ともすると音の大きさや低音の響きだけに注目されがちなSunn O)))だが(といってもそれが最大の魅力であることは間違いないが)、演奏の随所にみられるフィードバック・ノイズの細やかな使い分け等による正に"音響的"な音の構築の仕方は、彼らがただ単に大きな音を出すだけの凡庸なアーティストではないことを証明しているということ。恐らくこのあたりは来月発売される4年ぶりの新作『Monoliths & Dimensions』でより一層色濃く表現されていることでしょう。最後に、寝るまで耳鳴りが止まなかったのですが、翌朝には無事回復していました。よかった・・・。

Maximum Volume Yields Maximum Results.

Posted by uzu at 2009-04-25 22:30:31 | コメント(0) | Trackback(0)

2009-04-19 01:27:47

Growing w/ OLAibi & Boris @渋谷 O-Nest [ ■音塊 (Live Report etc.) ]

 4/19のIsisSunn O)))Borisenvyとのライブ・イベント『Leave Them All Behind』に出演予定のGrowingの単独ライブを渋谷 O-Nestで観てきました。N.Y.ブルックリンに拠点を置く彼らは、Joe DeNardo、Kevin Doria、Sadie Laska('08年末加入)の三人から成り、これまでにKranky、Troubleman Unlimited、The Social Registry等の数々のレーベルからリリース経験を持つグループ。最新作『All The Way』が昨年日本でもリリース(Daymare Recordings)となり、今回の来日と相成りました。

 開演時間の19時を少し回った頃に会場に着くとまだライブは始まっておらず、会場は決して広いとはいえないのに人も疎らな状態。人が集まるのを待ってのスタートかと思っていると、Special Guestとして名前が伏せられていたBorisが登場し演奏が始まった。昨年の『Smile』ツアーのセット・リストとは異なり、"花・太陽・雨"からではなく、"Pink"から(だったかな・・)スタート。のっけからボルテージMAX状態のメンバーだったが、如何せん客が少ない(50人くらいだったと思う)。昨年末のUNITでのライブでは自分のいた場所が悪かったのか、音がクリアに聴こえず悔しい思いをしたが、今回は音が良く聴こえノリノリになれるか〜?とふと周りを見渡すと、みんな棒立ち状態・・・。周りの目を気にする私はノリにノレない状況でした。サウンドはいいし、むしろUNIT以上のクォリティーなのではないかとさえ思ったのだが、非常に残念でした。いや、きっとみんなも同じ気持ちだったに違いありません。4/19に期待!

 続いてはOOIOOのパーカッショニスト/ドラマーのAiのユニットであるOLAibiの登場。私の勉強不足で音を聴くのは初めてでした。コンガやジェンベが生み出すトライバルなリズムに、早口言葉の様な彼女の声や様々な楽器の音色をシンクロさせ、とことん人力にこだわった独特のサウンドでした。反復を繰り返し徐々に盛り上がっていくサウンドは非常にトリップ要素の高いものでした。
 Growing
 さて、最後はメインのGrowingです。ギターのJoe DeNardo、Kevin Doriaを両脇に据え、紅一点のSadie Laskaが中心に陣取りスタート。CDで聴く以上に強烈でアッパーなビートが繰り出され、ディレイやトレモロ効果を生かしたギターがふわふわと舞う。そこに目の前に並べられた数々のツマミから刺激的なノイズを発し、Sadieがマイクを執る。彼らのサウンドはよく「アンビエント〜ノイズ〜テクノ〜クラウト・ロック等のクロスオーヴァー・サウンド」と評されますが、ライブは想像以上にフロア寄り(と言うと少し語弊があるが)で、むしろジャンクなインダストリアル・サウンドという感じがしました。途中にMCは無く、曲間を空けずに次々と新しいビートが現れては消えていくというスタイルもテクノ的でした。とにかくおもちゃ箱をひっくり返したように無数の音が弾け飛ぶといった感じで、非常に楽しかったです。4/19のライブではトップバッターとのことですが、また楽しめればなと思います。

 明日のライブは長丁場になるので、もうそろそろ寝るとします。

Posted by uzu at 2009-04-19 01:27:47 | コメント(0) | Trackback(0)

2009-04-14 23:53:11

Tim Hecker / An Imaginary Country [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Tim Hecker / An Imaginary Country
Tim Hecker / An Imaginary Country (kranky) ('09)

 これまでにSubstractif、Mille Plateaux、Staalplaat、Alien8、Room40、kranky等の名だたるレーベルからリリースを重ね、今やアンビエント〜エレクトロニカ〜エクスペリメンタルの世界では大御所の域に達しつつあるカナダのサウンド・アーティスト、Tim Heckerの待望の新作。間に『Norberg』や『Atlas』のヴァイナル小作品や、Aidan Bakerとの共作はあったものの、オリジナル・アルバムとしては'06年の『Harmony in Ultraviolet』以来2年半ぶりのリリースです。ドビュッシーの言葉から引用した『An Imaginary Country』というタイトルといい、カナダの画家であるDavid Milneの絵を用いたジャケットといい、何かと穏やかなイメージが先行するが、サウンドはこれまでの路線と大きく異なるということはなく、彼のサウンド美学によりいっそう磨きをかけた内容になっている。サウンドの特徴としては、これまでのノイズ、グリッチ要素は若干影を潜め、エフェクトを効かせたギターやシンセにより幾重にも重ねられた深いレイヤード・サウンドが主となっており、メロディーもこれまで以上に自己主張をしている。ラップトップで精密にエディットしたというよりも、楽器の生の呼吸をうまく捕らえた作品といってもいい。また、シームレスに続く繊細で荒涼としたサウンドは1stの『Haunt Me 〜』にも通ずるところがある。彼のキャリア史上最も感傷的で美しいトラックの#5、合唱の様な歌声が微かに響き渡る#7から重いベースラインと幽玄なギターとの絡みが美しい#8への流れ、Tim Heckerの王道サウンドの#10、そして今作中最も力強くノイジーに頂点へと登りつめる#11等、数々のドラマティックな聴き所が散りばめられている。また、作品の最初と最後のトラックに同じテーマを配置することにより、作品の統一感を高めている(#1が"100 years ago"で、ラストの#12が"200 years ago"だから、時間を遡っていることになる。)。僕は勢い余ってヴァイナル盤も購入しました。あとは来日を待つだけ。

試聴
Tim Hecker / Fantasma ParastasieTim Hecker / AtlasTim Hecker / NorbergTim Hecker / Harmony in UltravioletTim Hecker / Mort Aux VachesTim Hecker / MiragesTim Hecker / Radio AmorTim Hecker / My Love Is Rotten to The CoreTim Hecker / Haunt Me, Haunt Me Do It Again


Posted by uzu at 2009-04-14 23:53:11 | コメント(0) | Trackback(0)

2009-03-16 19:14:44

Of / Rocks Will Open [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Of / Rocks Will Open
Of / Rocks Will Open (Digitalis Recordings) ('08)

 サンフランシスコ・フリーフォーク・シーンの中心レーベルであるJewelled Antlerの立ち上げや、Thuja, The Blithe Sons等、数々のアヴァン・フォーク・グループでの活躍で知られるLoren Chasseによるソロ・プロジェクトOfの新作。前作『The Sun & Earth Together』が雑誌『Studio Voice』のアンビエント・チルアウト特集('08年8月号)で'08年を代表する作品として紹介されていたため(限定プレスのため私は未聴)、かなり気になっていたのだが、本作でその完成度の高さを目の当たりにすることになった。民族楽器を主体とする様々な楽器(ダルシマー、ドラムス、アルト・リコーダー、ケーン、シンギング・ボール、シュルティ・ボックス、ハルモニウム、シンバル、オートハープ等)と、砂利、砂、石等の自然界に存在する物体、さらにはフィールド・レコーディングを音の材料とし、これらの音々をふわりと空間的に重ねることにより、夢うつつの桃源郷のようなサウンドを生み出している。一つまた一つと現れては消えてゆく半透明な音像と、ゆるやかなカーブを描くドローンが聴き手に寄り添うように流れていく。#6の夢見心地な恍惚感溢れるサウンドはもはやこの世のものではないと言っていいほど素晴らしい。これを機にこの周辺の作品をチェックしていきたいと思う。

試聴

Posted by uzu at 2009-03-16 19:14:44 | コメント(0) | Trackback(0)

2009-03-03 23:20:58

Stephen O'malley / Keep An Eye Out [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Stephen O'malley / Keep An Eye Out
Stephen O'malley / Keep An Eye Out (Table of The Elements) ('09)

 Table Of The Elementsの設立15周年記念ギター12inchシリーズにSunnO)))Stephen O'malleyが登場。オシレーターから発せられる無機質な振幅音とギター・フィードバックの重厚な響きが織り成す12分のドローン絵巻。持続する音の流れの中にある微細な変化を楽しむことができる作品。聴いていると、始まりも終わりも無く永遠に輪廻転生し続ける森羅万象が・・・なーんてちょっと大げさか。このミニマリスティックな手法は時として聴いている者の周りの時空を引きずり込むように作用する。マスタリングを手がけたは元KhanateのJames Plotkin。他のシリーズ作同様にクリア・ヴァイナル、片面イラスト・エッチング仕様となっている。

 ちなみに私は、来る4月のSunn O)))としての単独来日公演と、ISISGrowingenvyBorisとのイベント『Leave Them Behind』が楽しみで、今から夜も眠れない状態になっています。

試聴Christian Fennesz / JuneOren Ambarchi / A Final Kiss on Poisoned Cheeks



Posted by uzu at 2009-03-03 23:20:58 | コメント(0) | Trackback(0)

2009-02-22 22:54:11

KTL / IV [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

KTL / IV
KTL / IV (Editions Mego) ('09)

 Peter Rehberg (a.k.a.=Pita)とStephen O'malley (ex=Sunn O))))による暗黒電子ユニットKTLの4作目。(限定盤を除いて)前作の『3』はORから12inchオンリーでリリースされたが、本作は『1』、『2』同様Editions Megoからのリリースとなっている。ユニット最初期に発表された『1』、『2』は舞台劇『Kindertotenlieder』のために製作されたという性質の作品であったが、それ以降舞台を離れ、世界各地でライヴを重ね、KTL=音楽ユニットという自我の目覚めとともに製作されたのが本作である。また本作ではプロデューサーにJim O'rourkeを迎えることにより、これまでの「ラップトップ・ノイズとヘヴィ・ドローン・ギターの融合」をさらに推し進め、円熟味が増した内容になっている。レコーディングは'08年9月の横浜トリエンナーレ公演で来日した際に短期間で行われた。あの濃密なライヴの裏で本作が製作されたのかと思うと、この三人の芸術家(O'rourkeを含め)の職人としての気概が感じられる。また、本作は彼らのキャリア上最もバラエティーに富んだものとなっている。フィードバックから幕を開ける強烈な熱波音の#1、20分以上にも渡り反復されるシーケンスとひしゃげたギターとドラム(=BorisのAtsuoが参加)が渦を巻く#2、彼らにしては珍しいアップテンポな#3、偶発の産物がO'rourkeの手により見事に作品として昇華されている(と思う)大曲の#4、至高のアンビエンスの#5・#6と、聴き手を飽きさせることがない。ここにきてさらなる高みへと足を踏み出した彼らから今後もますます目を離せない。なお、日本盤はにはボーナス・ディスクとして、以前150枚限定で発売された『KTL IV Paris Demos』が付いている。

試聴KTL / 2KTL



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2009-01-10 23:18:13

Christian Fennesz / June [ ■円盤紹介 Ambient, Experimental ]

Christian Fennesz / June
Christian Fennesz / June (Table of The Elements) ('08)

 昨年リリースされた久々のソロ・フルレングス・アルバム『Black Sea』が好評のFenneszだが、今回紹介するのはTable Of The Elementsの設立15周年記念ギター12inchシリーズの一環で"Chiristian Fennesz"名義でリリースされた作品。他のシリーズ作同様にクリア・ヴァイナル、片面イラスト・エッチング仕様となっている(私が購入したのはカラー・ヴァイナル盤だった)。これに収録されている"June"という曲、一聴するとギターを基調とした美メロとグリッチ・ノイズから成るFenneszらしい作品に間違いは無いのだが、いつも以上に実験的なアプローチを見せている。曲は大きく二つのパートから成っており、前半部は生々しいギターの多種多様な音色が空間的に配置されている。時折出てくるチョーキング(ベンド)っぽいフレーズや、彼には珍しいヘヴィ・ドローン的な低音フレーズが新しい。後半には輪郭が極限までぼやけたギターコード・フレーズがさながら桃源郷にいるかのようにまどろみの中へ溶け込んでいく。小品ながら実に味わいのある作品。

試聴Oren Ambarchi / A Final Kiss on Poisoned Cheeks



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